F1だけではないモナコの魅力とは

F1で有名なモナコはフランスとイタリアの間に位置している面積僅か、2.02㎢程の世界で二番目に小さな国です。観光都市として力を入れ、1215年に建設した大公宮殿、歴代大公が眠っているモナコ大聖堂、18世紀初頭に建設されたフォートアントワーヌ劇場、比較的新しい1910年に建てられたモナコ海洋博物館など、美しい街並みに溶け込んだ建造物が各所に点在しています。財源の確保の為に1863年にはモンテカルロカジノを完成させ、パリのオペラ座を手掛けたシャルル・ガルニエが建設したこの宮殿のような佇まいが観光客の見学地としても人気となっています。又、モナコでは外国からの移住者は所得税が掛からない為、多くの富裕層が住んでおり、世界のブランド直営店が並ぶカジノ広場周辺や、高級車が走る姿が見られる公道など、古くからある南欧の風景と共に華やかで現実離れした空間が広がっていることがモナコの魅力の一つとなっています。

モナコで開催されるF1グランプリのコースの特徴とは

古い時代より長い年月をかけて築き上げてきた南欧の美しい風景と、華やかな現実離れした空間が融合したこの街だから、可能となったスポーツがこの国にはいくつもあります。モナコに本拠地を置くサッカークラブであるACモナコ、WRCのラリー・モンテカルロ、テニスの大会も多く開かれています。坂の町と呼ばれる地形を利用したスポーツも見受けられますが、F1のモナコGPもその一つです。モナコで開催されるGPは、ドライバーからトラックを長くするべきという声も上がっているように、レース距離は260.52㎞と短く、ドライバーの身体的負担を考えた距離となっています。これは、3.34㎞のコースを48周走っているということであり、1960年までの100周(レースが3時間以上)であったことを考えると極めて短い距離です。このコースの特徴としては、この短い距離の中に、坂の道を利用したコースをいくつも作っている点があげられます。

ドライバーテクニックが要求されるモナコのF1コース

モナコの公道、モンテカルロ市街地を走る、モナコのF1コースは、世界3大レースの中でもドライバーのテクニックが最も要求される難関コースです。坂の街といわれる地形に出来たコースは、長い上り坂や急勾配が多く、コースの幅はとても狭くなっています。直線は殆どなく、19のコーナーのうち、ガードレールによって視界が遮られてしまうコーナーが殆どです。地中海に面した美しい景観とは裏腹に、過酷なコースが多く、ドライバーにとっては少しのミスも許されない難所ばかりの気が抜けないコースになっています。それが、見るものを引き込み、また見に訪れたいと思わせる力へと繋がっています。レースが開催される時期は毎年決まって5月の最後の週末で、この月はF1グランプリの他にもカンヌ映画祭も開催される為、コートダジュール全体が最も盛り上がる時期です。