モナコで開催されるF1グランプリの特徴
モナコ公国は、世界で2番目に小さい国ですが、首都であるモナコ市が全領土であるこの国で、毎年5月に20万人の人が訪れる大イベント、F1のモナコGPが開催されます。モナコGPは毎年5月の第2、第3木曜日に初日が開催され、市街地がコースになっている唯一のF1レースです。F1モナコGPは1929年から開催されている伝統のあるレースですが、それを一目見ようとして世界各国からセレブが集まります。モナコの一部は地中海に面していますが、周りはフランスに囲まれています。1956年にハリウッド女優のグレースケリーがレーニエ3世と結婚したことで話題を集めました。モナコはタックスヘイブン制度を採用しているため、個人居住者には租税が課されません。そのため、税金対策でモナコに集まるセレブが多いです。
モナコでF1が行われるようになった歴史
現在ではモナコと言えばF1という位有名になりましたが、モナコにF1が誘致されるまでの道のりは平たんではありませんでした。1925年にモナコ自動車クラブは現在の国際自動車連盟に相当する組織に登録申請しましたが、モナコは国土が狭いこと、レースを開催した経験が無いことから申請が却下されました。ところが、モナコ自動車クラブの会長の息子、アントニー・ノゲは、新たなサーキットは作れないが、市街地をサーキットにしようと提案します。F1は危険度が高いモータースポーツのため、ブレーキミスによるクラッシュやコースを外れることによるマシン同士のクラッシュや炎上、観客との接触などが起こる可能性も高いです。しかしF1誘致を行うために国を挙げて様々な策を講じた結果、1929年に第一回F1グランプリが開催されました。
モナコで行われるF1グランプリの特徴
モナコグランプリのコースはドライバーにとっては他のF1コースに比べて最も難しいコースです。道幅が狭く、追い抜きがしにくいので、予選で良い順位を得てスタートポジションを少しでも有利な場所につけることが勝敗を握るテクニックとされています。また、普段は一般道として使われている道にフェンスを付けるため、壁ぎりぎりのところを走ります。他のレースと比べるとスピードを出すことができないため、ドライビングテクニックも繊細にしなくてはなりません。モナコでは、1929年以降戦後を除いて毎年F1グランプリを行ってきました。必ず毎年モナコ公室が観戦して、大公が優勝者へトロフィーの授与を行います。F1を開催するにあたって、開催権料をF1の管理団体に払う必要があるのですが、モナコだけはそれが免除となっています。